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2015/3/11 水曜日
手羽元の黒酢煮
こっくり、さっぱり手羽元の黒酢煮。

手羽元をさっと茹でこぼしてから、ひたひたの水、鎮江香醋、砂糖を入れてコトコト。
アクをすくい、醤油(濃口^^)を加えてさらにコトコトコト…出来上がり。
少ない食材、調味料、鍋にお任せの簡単料理。
こっくりとしているのにさっぱりとしていて、骨から身が綺麗にはがれる。
時々思い出したように食べたくなる味。

グズグズとした日が続いていたが、久しぶりに気持ちよく晴れた。
明るい空に騙されてはいけません、今朝は冷え込みがきつかったし、風は冷たい。
それでも明るい空が嬉しくて、外苑前から渋谷まで青山通をテクテク。
震災から4年。
日常生活は否応なく続いていて、ついつい記憶や危機感がうすれがち…いかんなぁ…。

勇気凛りんさんと学ぼう♪大人のためのしょうゆ出前授業
レシピブログの勇気凛りんさんと学ぼう♪大人のためのしょうゆ出前授業に参加した。
今週2度目のアイランドスタジオ…

醤油博士の松本先生から醤油について教えていただく。
まず醤油を加熱した匂いを嗅ぐ。
せんべい、焼き餅、焼きおにぎり、焼きとうもろこし…醤油が焦げる匂いが嫌いな日本人っているんだろうか?
醤油の香りには300の匂い成分が入っていて、バラやバニラの香りだって含まれるそうだ。

醤油がどのように作られているか…を教えていただく。
醤油の原材料は大豆、小麦、塩。
大豆を蒸し、小麦を炒って砕き、麹菌(カビみたいに見える)を混ぜて45時間、醤油麹ができあがる。
塩水を混ぜて発酵させるともろみになる。
もろみは時間の経過に従って色が濃くなっていく。
もろみを漉したら生の醤油になり、加熱処理をして市販されている醤油になる。

松本さんはもろみを漉したり、醤油にライトを当てて醤油の色(赤橙色)を見せてくれたり大奮闘。

もろみ、もろみを絞った醤油、売られている醤油をお味見。
もろみは醤油よりもいろいろな味がして、酸味、苦味などの雑味が感じられる。とっても美味しい。
もろみも売ってくれればいいのに!って思ったんだけど、いろいろな菌が生きているもろみは大切な企業秘密なので、市場には出てこないそうだ。

今度はいろいろな種類の醤油をお味見。
濃口、薄口…この二つは馴染みがある。
たまり…レシピによってはたまに買うことがある、濃厚なお味。大豆の割合が多いそうだ。
白…これも以前使ったことがあるけど、常備はしていない。たまりとは逆にほとんど小麦で作られ、色の薄さと香りが特徴。甘みが感じられて美味しい。
再仕込み…醤油麹に塩水を加える代わりに醤油を加えるという贅沢な作り。色、味、香りが濃厚。

勇気凛りんさんによる醤油を使った料理のデモンストレーション。

1品目は、鯛かぶら高野豆腐。
鯛は骨を取り除き、食べやすい大きさに切り、さっと茹でる。
蕪は茎の付け根を少し残し、皮をむいて半分に切る。

高野豆腐は水につけてもどはなくても、火にかけた鍋の煮汁(出汁、醤油、みりん)に入れてしばらく待ち、鍋から引き上げて切り分ける。
月曜日のソーメンに続いてまたまた衝撃。
高野豆腐は何度も水を替えて戻し、しっかりと水気を絞ってからお出汁で煮る…って考えていた私は頭が硬い?
切り分けた高野豆腐を鍋に戻し、鯛と蕪を加えて20分コトコトで出来上がり。

全く同じレシピで煮た、濃口バージョンと薄口バージョン。

続いて鶏肉の照り焼き。
フライパンには油をいれず、鶏もも肉の皮面を下にしてじっくり焼く。
染み出してきた脂をしっかりと拭き取る。
裏返して1分ほど焼いたらタレ(たまり醤油、みりん、酒、はちみつ)を流しいれる、
パリパリの鶏皮にタレをかけないのがポイント。

タレが煮詰まったら、皮面にたれをちょっとつけて盛りつける。
いい照り…この色、醤油あればこそ!の料理ね。

試食タイム♥
鯛かぶら高野豆腐2種。
塩分がきつい薄口醤油を濃口と同量入れてしまうとちょっと味がきついかな。
薄口醤油は控えめに!を実感。
出汁に醤油とみりんだけでしみじみと美味しい。
鯛からとてもいい出汁が出ているが、勇気凛りんさんが「養殖の鯛でも美味しくできる」と背中を押してくださった。近いうちに試してみたい味。

鶏肉の照り焼き。
ご飯が進むテッパンの味。
たまにたまり醤油を買っても、なんだか構えてしまって何に使おう?って考えてしまうんだけど、もっと気軽にいろいろな料理に使って、こっくりとした味を楽しめばいいんだ!と納得。
日本には1400の醤油蔵があるそうだ。
多いような気がするけど、昭和30年代には6000あったと聞くとちと寂しい。
醤油の消費量が減っている…とはいえ、1/4以下になったわけじゃない。
大量生産できる大きな企業が残って、地方の小さな蔵が消えていったんだろうな。蔵ごとに棲み着いていた菌もなくなってしまったのかな。
日本中と言わず世界を席巻する大企業の味の安定した安心感を評価した上で、地方地方で土地に馴染んだ醤油蔵が残っていって欲しいなぁと思う。
